ウェブサイトとは、一般の人 (ここでは、ウェブやITのプロではない人、という意味) がよくいう「ホームページ」と同じ意味です。
この記事では、ウェブサイトとはどういう意味なのか、「ホームページ」とはどう違うのか、という話を、できるだけわかりやすく説明します。
ウェブサイトとは、どういう意味?
あなたが今ブラウザで見ているこのページ、ひとつの画面にいくらかの情報がありますね。これがウェブページです。Googleで検索して出てくるページは (ほぼ) 全てが「ウェブページ」です。
ウェブページの集まりが「ウェブサイト」です。「サイト」は英語で、土地とか場所という意味があります。ウェブ上のとある場所、でウェブサイトといいます。
ちなみに「ウェブ」が何を指すかというと、WWW (ワールドワイドウェブ) のことです。インターネットは世界中に敷かれた巨大なネットワークのこと、その中でページを閲覧して情報を得られるための仕組みがWWWです。
ホームページの本来の意味とは?
では、ホームページとは本来どういう意味なのか。ふたつの意味があります。
- ウェブサイトの代表のページのこと。
- ウェブブラウザで新しいウインドウを開いたときに、自動で表示されるページのこと。
1. の例としては、ウェブサイトを見ていると、上部のナビゲーション部分などに「ホーム」という表記を見たことがあるかもしれません。このリンクをクリックすると、ウェブサイトの代表とか入口のページへ移動します。これが「ホームページ」の例です。
2. については、ブラウザの設定画面に「ホームページの設定」という言葉を見たことがあると思います。大体は、Yahoo! Japan、msn、Googleなどが元からセットされています。いろんなリンクを辿って次々にページを移動してもすぐに戻ることができる最初のページ、という意味で「ホームページ」と呼ばれます。
ウェブサイトとホームページの違いって?
「ウェブサイト」と「ホームページ」は、違う意味の言葉です。
本当はウェブサイトのことを「ホームページ」と呼ぶのは明らかに間違いなのですが、間違った言葉がなぜか定着してしまったという例、いわゆる誤用です。
日本では、ウェブサイトのことを「ホームページ」と呼ぶ人が多いです。そう呼んでいる人にとっては、ウェブサイトとホームページには何の違いもありません。
また、「ウェブサイトは企業のホームページのこと、それ以外はホームページ」とか、「IT業界ではウェブサイトと言わなければならないが、それ以外はホームページでよい」といった使い分けがあるのかと思っている人もいますが、それも間違いです。
ウェブサイトとホームページ、どっちが正しい?
ウェブサイト、が正しいです。
以上で説明したとおり、「ウェブサイト」「ホームページ」にはそれぞれ別の意味があります。別の意味がある以上、それぞれそのように呼ぶのが正しい、としか言いようがありません。
そして「ホームページ」という言葉にも担うべき役割があります。ウェブの仕事をしていると、ホームページとウェブサイトは言葉として使い分けなければ混乱してしまうので、ウェブ業界にいる人は「ウェブサイト」と呼ぶのが当たり前なのです。
いいかげん「ホームページ」って言うのやめましょう
- ウェブサイト = ウェブページの集まり
- ホームページ = ウェブサイトの代表のページ、または、ブラウザの最初のページ
それぞれ違う意味があることを知ったのですから、これからは、間違った使い方はやめましょう。「ウェブサイト」といいましょう。
私が特にお願いしたいのは、マスコミや行政の方たちです。誤用であるにもかかわらず、今も新聞・テレビでは「ホームページ」と呼称しています。おかげで一般の方の誤用も改まらないのでしょう。ウェブ屋は困っています。
組織内における言葉遣いの取り決めもあるのでしょう。が、そのわりには同じメディア内で混在していたりします。
たとえばこれは実際に見かけた例ですが、ある日の新聞の報道欄に、ある行政組織の「ホームページ」が開設されたと書かれていました。しかし同じ号のコラム欄では正しく「ウェブサイト」という言葉が使われていたし、広告には「詳しくはウェブで」と書かれていました。
間違いを認識したまま間違いを押し通すのは、気持ち悪いです。
ウェブサイトにはどんな種類がある?
ウェブサイトを種類わけするにはいろんな軸があり、全てを説明するのは難しいですが、たとえば次のようなものは、みなさんご存知なのではないでしょうか。
- 企業のサイト、個人のサイト……誰が所有者であっても「ウェブサイト」であり、作り方もそう大きくは変わりません。
- ブログ……ウェブサイトの形態のひとつ。頻繁に更新することを前提としたしくみのこと。
- ショッピングサイト (ネットショップ)……これもウェブサイトの形態のひとつ。カートシステムを備えています。
- SNS……Twitter、Instagram、FacebookもSNSというウェブサイトの一種です。
- 検索サイト……GoogleやYahoo!もそれ自体が「ウェブサイト」です。
- wiki……ウェブページをみんなで執筆するためのシステム。その最大のものがWikipediaです。
オンラインで見るもののうちどこまでが「ウェブサイト」といえるのか、というと、ウェブブラウザで見られるものはだいたいがウェブサイトである、とお考えください。他のスマホアプリで見られる情報ページも、本体はウェブサイトであり、アプリから単に呼び出されているだけという場合もあります。
「ウェブサイト」と「Webサイト」、どっちが正しい?
カタカナ表記の「ウェブサイト」が正しいです。
日本語でアルファベットの言葉を混ぜる際に、固有名詞はそのまま表記するというルールがあります。WWW (ワールドワイドウェブ) は固有名詞なので、その一部をとった英語表記の「Web」とするのが正しいのでは、という見解があります。ただ、Webという単語はWWWの正式な略称ではなく、一般名詞なので、無理に英語表記にする必要がありません。以上のことから「ウェブサイト」が正しい、といえます。
ウェブサイトは、ただ作ればいいってものではない
いままでインターネットやウェブに縁がなかった人たちも、このところ急速に利用が進んでいる感があります。非対面でできることに価値が生まれたので、ウェブ活用は「できればいいな」から「やらなければ」になってきた、そういう時代の流れがあります。
あなたがお勤めの企業で、または、あなたの事業でも、「これからはウェブの時代」「ウェブサイトを商売に活用しなくては…」という意見が出ているかもしれません。
ただ、ウェブサイトはただ作ればいいってものではありません。SNSもブログもオンラインショップも、ただやればいい、やりさえすれば上手くいく、というものでは決してありません。
知識がない方は「あれがいいらしい」と聞くと飛びついて、また違うところで「あれがいいらしい」と聞くとそっちに移り、ということを繰り返して、疲れ果ててしまいます。「ウェブ活用なんてウソじゃないの?うまくいくわけない」そう思っている人が多いのは、本当にもったいないことです。
そうなる前に、まずはプロにご相談を。