なぜ、事業のウェブサイトはデザインにこだわってはいけないのか? 「かっこいい会社サイト」を目指すと失敗する理由

デザイン先行でウェブサイトは作れない

ウェブサイトを作ろう・依頼しようとなったとき、あなたは何から考えますか?

たぶん、デザインのことしか考えてないと思います。

  • トップページをオシャレなデザインにすればいいかな
  • 見栄えをよくすれば印象もよくなるから、これで反応もよくなるかな
  • 中身は依頼したら適当に考えてくれるだろうから、私は好みのデザインを指示すればいいかな

たぶん日本中の大人のほとんどは、こんな感じで考えています。

「とにかくデザイン」という考え方では、まともなウェブサイトは作れません。それは、会社の事業案内サイトであれ、お店のウェブサイトであれ、フリーランサーのポートフォリオサイトであれ、同じです。

いいかげん、この考えを改めましょう。

なぜ、デザインにこだわっても集客効果は上がらないのか?

世間の多くの人は、「デザインがオシャレでかっこいいウェブサイトのほうが、ダサいよりも集客効果があるに決まっている」と思っています。

でもこれは間違いです。

たしかに、かっこいいデザインのウェブサイトは、見た目の印象は良いです。「すごい。ちゃんと作ってあるなぁ」という印象は残せます。

でも、お客様はその印象だけで問い合わせや購入に至ることはありません

デザインにこだわって印象をよくしたところで、問い合わせも購入も増えない。ではどうしたら問い合わせや購入が増えるかというと、それには、中身を充実させることです。

中身が充実していてなおかつデザインも素敵ならば、それなら鬼に金棒で、問い合わせや購入は増えるでしょう。

ですが、デザイン先行でウェブサイトを作ると、必ず、本当に物理法則が働いているかのように必ず、中身を無視し始めるのです。「テキストは後から入れます」という状態です。

このようにして、デザインにこだわってウェブサイトを作り始めると、中身が無視され、見た目の印象はいいけれど、問い合わせも購入も何の反応もないウェブサイトができあがるのです。

余談ですが、いいウェブサイト = 文章も図もそれなりに多く、説明がとてもわかりやすく頭に入ってくるウェブサイトというのは、見た目には「ちょいダサ」なことが得てしてあります。

じゃあ、どんなウェブサイトだったら問い合わせが来るのか

デザインにこだわっても、問い合わせも購入も増えません。ではどうしたら問い合わせや購入が増えるかというと、それには、中身を充実させることです。

中身が充実したウェブサイトというのは、具体的にいうと、こんな状態です。

  • ウェブページに文章が適切なだけたくさんあり
  • 商品やサービスについて詳しく説明されていて
  • 図や画像のおかげでその説明がとてもわかりやすく頭に入ってくる

なぜ、中身を充実させないといけないのか。

ウェブサイトをなぜ作るのかを考えたとき、ウェブサイトには必ず何かの目的があります。多くは、サービスや事業の内容を伝えたいはずです。

そしてお客様に取ってほしいアクション (問い合わせたり、購入に至ったりしてほしい) があります。

お客様がアクションに至るには、そのウェブサイトを見て「このサービスのことがよくわかった」と思わなければなりません。「オシャレなサイトだなあ」という印象だけでは、決してお客様はアクションしません。

問い合わせたり、購入したりするアクションは、基本的に誰しも面倒臭いのです。だから、そのサービスのことがよくわかって、これは申し込んでもリスクがないな、と思ってはじめて、人はアクションをとります。

よく「あまり細かいことを書かないほうが、気になってクリックされるのでは?」ということを言う人がいますが、これはとんでもない間違いです。それどころか、こちらとしては十分に説明したつもりなのに、それでもお客様はアクションしてくれない、ということのほうが圧倒的に多いのです。

だから、中身を充実させずに見た目のデザインばかり気にしていると、お客様の問い合わせが発生しないのです。

本来「デザイン先行」ではウェブサイトは作れない

「テキストは後からでいいので、まずはデザイン画を作ります」と言ってくるウェブデザイナーがいます。あるいは、依頼者がそのように指示することがあります。

この方法では、まともなウェブサイトは作れません。なぜか。

本来、デザインの役割とは、伝えたいことがまずあり、それが正しく伝わるためには、どんな見た目にしておくのがよいか、を考えることです。「デザインはコミュニケーションである」といわれる所以です。

ですから、テキストやキャッチコピーがすべて「ああああああああああああああ」のままでデザインなんかできるわけがないのです。

伝えたい中身が決まっていないのに「デザイン」なんて本来あり得ないのですが、まあ、それでも現代の便利なツールや素材のおかげでそれなりにオシャレに見える画面は一応作れます。しかしそもそも中身がないのですから、本当に「見た目だけ」であって何も伝えていないものができるのです。

また最悪なのは「文章がたくさん入っているとオシャレに見えないから、文字数をとにかく削ろう」と考えることです。余計に「伝わらない」ウェブページへまっしぐらです。

このようにして、利用者から見ると、オシャレで印象はいいけど、何が言いたいのかわからない、いくら探してもサービスの詳細が知れない、問い合わせなんかする気になれない、そういうウェブサイトができてしまうのです。正直、日本中、そんなウェブサイトだらけです。

デザインにこだわると、手間 = 費用がかさむ (が、その費用は無駄になる)

そしてデザインにこだわると、費用にも無駄が発生します。

デザインにこだわると、ウェブサイトを作るすべての工程で手間がかさみます。

  • デザインにこだわる = 依頼者の好みを理由にデザインカンプを何度も修正する
  • デザインにこだわる = デザインを再現するためのコーディングが複雑になる。また、細かい修正が何度も必要になる

いろんな手間がかさむ、というのはすなわち、制作料金がたくさんかかる、という意味です。

(手間がかさむ作り方をするのに制作者にはその分の金を払わない、というのはあり得ない話として)

でも、デザインにこだわったぶん高額になっても、デザインにこだわったことによって集客効果が上がるわけではありません。

ということは、デザインにこだわったぶんの費用は無駄だということです。

言い換えると、デザインにこだわるだけ費用対効果が下がっていくということです。

効果のあるウェブサイトを作るには、依頼側にこそ知識が必要

だから、依頼する側は「とりあえずかっこいいデザインを作ってみてください」などと絶対に言ってはいけません。それを言うから、全然集客できないウェブサイトができあがるのです。

これだけ世の中がオンライン中心で動くようになったのに、いまだに世間一般の認知ときたら「ホームページ = かっこいいデザイン = 勝手に集客」という程度のものです。

問い合わせや購入が増えるウェブサイトを作るためには、依頼側にこそ知識や、意識の変革が必要なんです。

本来なら、制作する側が依頼者をうまく導いてあげるべきだと思います。が、日本の商慣習のせいで、そこはうまく働かないケースが多いのです。

フリーランスなど個人のウェブ制作者の場合、依頼側も小規模なことが多く、値引き圧力も強いので、制作側は肝心の部分 = 文章制作やコンサルティングを削って、依頼者が特に希望するオシャレデザイン作りに集中する、となってしまいがちです。

ある程度以上の規模のウェブ制作会社に依頼すればコンサルティングからコンテンツ制作まできちんと面倒を見てもらえますが、金額的に、世の多くの小規模事業者にはご縁がないでしょう。

問い合わせや購入が増えるウェブサイトを作りたければ、個人のウェブ制作者に依頼するなら「それなりにお金は払うので、コンサルティングや文章制作もきちんとして作ってほしい」と声をかけるのがいいと思います。

「デザインしかできない」系ウェブデザイナーだと対応できないので、受けてくれるところは限られるとは思いますが、効果のあるウェブサイトを作りたいならそれが近道です。