「SEOといえば、これだけやっておけばいい!」というたったひとつの行為があるわけではなく、具体的にはいろんな行為・施策に分けられます。
この記事では、SEOとは具体的に何をすることなのかを説明します。
ウェブサイトを作って公開する以外に、やるべきことがある
検索順位を向上させたいと思ったら、ウェブサイトを制作して公開すること以外に、気をつけるべきこと・やるべきことがあります。
それは、おおまかには3つに分けられます。
- 検索キーワード選定・分析
- 技術的に正しいウェブサイト制作
- 質の高いコンテンツをたくさん作る
この中でどれが優先かというと、強いていうなら「質の高いコンテンツをたくさん作る」です。
ですが、技術的に正しくないとそもそもインデックス (検索エンジンがそのデータベースに登録してくれること) に難があったりするし、検索キーワードを全く無視していては検索順位の上下なんて分かりようもないので、結局どれも大事です。
キーワード選定・分析
まずは「検索キーワード」について理解する
「検索上位に表示されたい」というとき、それはどんな言葉で検索されたときのこと? という答えが「検索キーワード」です。
どんな言葉でもいいから、なんでもいいからとにかくうちのサイトを表示させたい、というのはあり得ません。「この言葉で検索されたときにうちのウェブサイトが表示されてほしい」という言葉は必ずあります。それを見つけていきます。
ウェブサイトの目的をはっきりさせる
ウェブサイトの目的は、多くの場合、誰に・何を売りたい、です。企業や個人事業主のサイトなら「問い合わせを増やして受注したい」だろうし、個人が運営するブログサイトであっても、アフィリエイト商品を売りたいとか、広告を踏ませたいとか、目的は必ずあるはずです。
その目的のためには、どんな人が来てくれたら嬉しいのか。その人たちは、どんな検索をしてうちのサイトにたどり着いてくれるのか。というふうに考えていくと、検索キーワードが見えてきます。
検索ワードは製品名やサービス名とは限りません。むしろ、彼らの「知りたいこと」や「悩み」のほうが重要です。
記事ごとに検索キーワードを決める
ウェブサイトの目的に沿ってページやブログ記事を増やしていきます。その際、記事ごとに検索キーワードを決めます。つまり「この言葉で検索されたときに、この記事が検索結果に出てほしい」という言葉のことです。
記事やコンテンツを作る時には、必ず主題を決めます。主題とは「この記事ではこんな人にこんなことを伝えたい」という、内容の幹の部分です。記事の主題と検索キーワードを一致させるようにするとうまくいきます。
逆に考えると検索キーワードとは、読者 (商品を買ってくれるかもしれない人) のニーズを表しているともいえます。
検索キーワードの決め方について、くわしくは別の記事で紹介します。
検索キーワードを探すのに役立つツールを使ってみる
検索キーワードを探すときは次のようなツール (ウェブサービス) がよく使われます。
- Google検索のサジェスト …… Google検索である言葉を検索すると、その関連ワードが表示される
- Google広告の「キーワードプランナー」 …… 元は広告出稿のキーワード決定に使うツール。検索ボリュームや競合の多さなどの情報が得られます
- ラッコキーワード …… 大量の関連ワードや周辺語などを調べられます
Google Search Console、Google Analyticsを設定しておく
これらのツールは必ず設定しておきましょう。
- Google Search Console (サーチコンソール) …… 自分のサイトを登録することでGoogleにその存在を知らせることができ、どんなワードの検索に表示されているかや、クロールの設定なども見ることができる
- Google Analytics (グーグルアナリティクス) …… 自分のサイトに来たユーザー数や滞在時間、よく見られているページなどを知ることができる、高度なアクセス解析ツール
技術的に正しいウェブサイト制作
ウェブページが技術的に正しく作られていることも、SEOが向上する要件のひとつです。すでに作られている場合は、正しくなるように修正していきます。
ただしサイト制作を丸ごと外注している場合や、特殊なCMSを使用している場合など、自分では変えようがないこともあります。その際は技術者や利用しているサービスに相談します。
HTMLタグを正しく使う
HTMLタグが正しく使われているようにします。「正しく」というのは、HTMLタグが規定通り使われていることです。
昨今、ウェブサイト全部を静的ページ (たとえばHTMLを手書きするなど) で作るようなことは少ないので関係なさそうに思えますが、WordPressでテーマを自作する際などには関係のある話です。また、後述しますが、WordPressなどのCMSで記事を書く人が入力すべき欄にも関係があります。
モバイル表示に対応させる
モバイル表示に対応していないウェブサイトは、検索結果で順位を下げられます。Jimdoなどのサイト制作サービスや、WordPressなどで既製品のテーマを使っている場合は気にしなくて大丈夫です。企業のサイトで古いためにモバイル対応がされていないケースが、経験上多いです。
PCのみ対応したサイトを持っていてこれからモバイル対応をする場合は、ひとつのページがPCとモバイル両方で正しく表示されるように作り直します。モバイル用のサイトをもうひとつ設けるのはやめたほうがいいです。
SSL化する (https://〜のURLになっていること)
SSL化されていないサイトは、ChromeやSafariなどのウェブブラウザで警告表示が出るようになり、ユーザーの利便性が下がります。また、検索結果で順位を下げられる要因でもあります。必ず対応しましょう。
ページの表示速度が速いサイトを作る
ウェブページの表示速度も検索順位に関係のある項目です。できるだけページ表示速度が速くなるようにウェブサイトを改善します。ページ表示速度を調べるには、PageSpeed Insights などを使います。
ただし、Jimdoなどのサイト制作サービスやクラウド型のCMSを使っている場合は自分たちではどうしようもありません。
見出しを正しく使う
これは、記事を書く方全員に関係のあることです。見出しは、HTMLタグに対応しており、H1、H2、H3…というように番号がついています。H1をタイトルとして、その下の見出しはH2、段落ごとにH3、というように、見出しの階層は必ず守るようにします。
たとえばブログ記事を書く際に「この見出しの見た目が気に入っているので、この見出しを使う」というような選びかたをしてはいけません。
抜粋 (Description)、画像AltなどHTMLに関係する情報を正しく埋める
これも、記事を書く方全員に関係のあることです。概要や画像の代替テキストなどの情報は、空欄のままにしておかないで、必ず埋めます。これらを入力しても画面には表示されませんが、検索エンジンが利用したり、SNSでシェアされた際に表示されます。巡り巡って検索結果向上に効果があります。
たとえばWordPressなら、記事の編集画面の右側に「抜粋」という入力欄があります。ここには記事の要約を書きます。主題や検索キーワードを含められればなお良しです。
画像を挿入しようとすると、「代替テキスト」という入力欄があります。その画像が何を表しているか、を入力します。この内容は本文と同じように検索エンジンに判断されるほか、目の不自由な人によく使われる文字ブラウザや読み上げ機能で重要な情報になったりします。
質の高いコンテンツをたくさん作る
Googleはとにかく、質の高い記事を優遇して、ゴミ記事を排除したいのです (本当にそうなっているかはさておき)。だから、検索結果で上位に来たかったら、質の高い記事を作ります。他サイトからの丸パクリや内容の薄い記事を作るのは無駄です。
質の高いコンテンツとは、何か
質の高いウェブ記事とは、ひとことでいうと「誰かにとってとても役に立つ記事」です。「これは読んでよかった」「知りたかったことがわかって、腹落ちした」「誰かに教えたい」と思えるような記事のことです。
読者が「腹落ち」すると滞在時間は長くなり、「他の記事も読みたい」と思ってくれれば、サイト全体の表示回数は増加します。こうしたデータは検索エンジンも見ていて、「このページは人の役に立ってるな」と判断されれば、検索順位も向上します。
「腹落ちする」記事を書くには、記事の主題をきっちり定めてぶれないようにすることです。
もっとくわしい「よい記事の書き方」は、長くなりますので他の記事で説明します。
E-A-Tとは
どんなコンテンツが質が高いといえるのか、の指標のひとつとしてGoogleが挙げている概念が、E-A-T (「信頼性」「専門性」「権威性」の英語の頭文字をとったもの) です。
その記事がその話題についての専門家が書いたものであり、書いた人には活動実績があり、信頼性の高い (ウソのない) 情報であれば、E-A-Tが高いといえ、検索結果でも優遇されます。
ではどうすればE-A-Tを高められるのかというと、一朝一夕には難しいです。少なくとも、すでにあなたの専門性の高い話題を取り扱うのが良いといえます。
たくさん、とはどれくらいか
ブログ形式のウェブサイトでいうと、目安は100記事です。ひとつひとつちゃんと作った記事 x 100、です。このくらいのボリュームがあってはじめて、SEOの効果を実感したり、検証が意味を持ちます。
だから、具体的にやることとしては、まずは100記事、きちんとした内容のものを書くことです。もっと掘り下げると、そのためのリソースを用意することです。つまり時間を捻出する、スキルを上げる、必要ならば外注先と費用を用意する、など。
パクリは見抜かれる。絶対にやらない
そんなにたくさんコンテンツがいるのであれば、パクれば良いんでは、と考えても無駄です。「他サイトからのコピーはスパム行為とみなす。ペナルティの対象」とGoogleのガイドラインにも書かれています。そして検索エンジンはコピー(パクリ)をチェックしています。
他サイトからのパクリ部分が多ければ多いほどオリジナルの記事に勝てなくなりますから、SEO的にはパクリは全く無駄な行為といえます。
SEOで勝ちたいなら、独自の内容を書きましょう。ようするに、自分の頭かお金 (外注)、最低どちらかは使えということ。楽してSEOでは勝てません。
「被リンクを集める行為」、いわゆる外部対策について
ここまで説明した内容はサイトを育てる行為が中心でした。いわゆる「内部対策」です。ちょっとSEOをかじった人なら「外部対策はやらなくていいのか」などと思っているかもしれません。それについて説明します。
記事が増えた際、SNSでのシェアはやった方がいい
ブログ形式を備えたウェブサイトなどで、新しい記事ができたら、SNS各種 (Twitter、Facebookなど) にもそのURLを投稿しましょう。投稿する際は、URLとともに記事内容をわかりやすくまとめた短い文章を添えましょう。
いちおうこれも外部リンクの一種なので、ブログを書いたら書きっぱなしではなく、まめにやったほうがいいです。
「被リンクを集める行為」を無理やりやる必要はない
無理やりリンクを集める行為はしなくていいです。というか、しない方がいいです。
昔のSEOを知っている人には「SEOといえば、有料でリンクを買ったり、相互リンクやリングに登録すること」「衛星サイトを量産して被リンクを集める」などのイメージがあると思います。今は、そういうことはやるだけ無駄です。
機械的にリンクを増やすことはもはや何の意味もありません。意味のある被リンクとは、「このサイトに書いてある内容は大変役に立つので、参考として紹介したい、シェアしたい」という動機のものだけです。
つまり、被リンクを増やしたいなら、質の高いコンテンツを多く作るしかない。これが昨今の状況です。
まとめ
この記事でお伝えしたかったことは、次のとおりです。
- SEOの最優先事項は、質の高いコンテンツをたくさん制作すること。
- 検索キーワードは読者のニーズから考える。
- 技術的に正しいウェブサイトを作る必要がある。そのためには、技術者に任せる部分と、自分でコンテンツを作る際に気をつけるべきことがある。
- 読者が読んで腹落ちする・納得する記事を作ること。
- 記事が増えたらSNSでシェアでシェアするとよい。
- 無理やり被リンクを集める行為はやらない。
Googleはその誕生から一貫して、質の高い情報が優遇され、コピーコンテンツやスパム行為は損するウェブ世界を作ろうとしてきました。検索エンジンの発達によって、その世界はだんだん成し遂げられつつあります。
現代的なSEOってなんて手間がかかるんだ、と思われたかもしれませんが、それこそが正しい姿なので、がんばってください! うちもがんばります。