GA4 (Google アナリティクス 4) って何? 移行どうすればいい? 何が変わる? かんたんに説明します

Google Analytics (グーグルアナリティクス) が変わります。ひとことでいうと、こうです。

「今のまま放置しとくと、来年 (2023年) には使えなくなる (計測もデータ閲覧もできなくなる) ので、いまのうちに対応しときましょう」

Google アナリティクスは高機能なアクセス解析サービスですが、個人でもGoogleアカウントさえあれば無料で利用できるので、かなりの割合のウェブサイトに導入されています。

会社やお店の経営者でウェブサイトを持っているかた、個人のブログサイトを持っているかたなど、Google Analytics を入れている人みんなに関係のある話です。

参考資料

私自身は Google Analytics のエキスパートではないので、次のようなリソースで勉強してきました。そこで一般の人にもわかるように噛み砕いて説明しようと試みているのが当記事です。自分でももっと詳しく知りたいわ! というかたはぜひご自身でもご覧になってみてください。

GA4で何が変わる?Google Analyticsの今後について語ろう!ゲスト:小川卓さん【雑談現場】 – YouTube

Google アナリティクス 4 の概要  |  Google アナリティクス 4 プロパティ  |  Google Developers

Google Analytics の何が変わるの? GA4って何?

今までの計測方法 (UA) → 新しい計測方法 (GA4)

GA4 ってなに? といいますと、Google Analytics の新しい計測方法(技術)です。

じつは Google アナリティクスはこれまでにも技術のアップデートを繰り返してきました。いま使われている技術が「UA (ユニバーサルアナリティクス)」で、新しいのが「GA4」です。

GA4版アナリティクスはすでに実際に利用が始まっています。現在はいわば、古いの (UA) と新しいの (GA4) が並行して利用されている状態です。

Google が今までの計測方法 (UA) の停止を発表

Google は、2023年7月1日をもって UA (古いほうの Google アナリティクス) をすべて停止すると発表しました。これは、今までの計測タグによる計測も停止されるし、今までどおりの解析画面も見られなくなる、という意味です。

何が起こるか、どんな影響があるか

つまりどういうことかというと、そのまま放置しておくと、来年7月以降は Google Analytics によるアクセス解析を見られなくなる、ということです。Google Analytics を来年以降も使いたいなら、GA4 への移行が必要ってことです。

これは Google Analytics の有料サービスを利用しているかたも例外ではなく、GA4 への移行は必須とのことです (ただし期間は少し伸びる)。

いつ移行したらいいの? → できれば今すぐ

ではいつ GA4 へ移行すればいいか。この記事を読み終わったら今すぐにでも導入するのが最もおすすめです。

「来年7月まで UA を使えるのなら、移行は来年でいいのでは?」と思うかたが多いでしょうが、それでは困るのです。

今すぐ GA4 を導入して、旧システム終了まで並行するのがよい

ひとつのサイトで UA と GA4 両方を計測することはできるので、今すぐ GA4 も導入しましょう。そうでないと、来年の7月に「去年の同月とPVを比較したい」と思ったとしても、既に去年のデータがなくなっています。

UA と GA4 のデータを直接比較することはできない

GA4 を導入すると、同じサイトでも UA とは別の解析画面が作られます。なので、去年 UA で計測したデータと、今年 GA4 で計測したデータを比較する、ということができません。

そこで今すぐ GA4 の計測を始めておけば、来年、GA4 で一年前のデータとの比較はできるわけです。

だから今すぐ導入するのがおすすめです。

GA4移行はどんな作業が必要か

GA4 を導入するには、次のような作業が必要です。

  • GA4 プロパティを作る
  • GA4 用の計測タグを入れる

要はいつもの Google Analytics 設置と同じなのですが、新しく GA4 用プロパティを設けるのがポイントです。

GA4への移行は「自動的に移行される」ということはありません。なので、ここ1年くらいの間に「自分で GA4 のプロパティを作った」という記憶がないというかたは UA 版を利用中のはずで、移行作業が必要です。

GA4プロパティを作る

Google Analytics の管理画面で操作します。アカウント管理画面へ行き、 GA4 設定アシスタント > 新しい Google アナリティクス 4 プロパティを作成する のように進むとGA4 専用のプロパティが作られます。

GA4用の計測タグを入れる

これまでの Google アナリティクスと同じように、計測するためにはウェブサイトに「計測タグ」を差し込む必要があります。方法はサイトのつくりによって違いますが、場合によってはHTMLコードを編集する必要があります。

WordPress の場合は Site Kit を使うとかんたんです

WordPressでGA4をSiteKitで導入する

WordPress で Google サービスを管理できるプラグイン「Site Kit」を入れてある場合は、WordPress管理画面上で GA4 コードの追加もできます。画面に沿ってログインやプロパティ指定などの操作をするだけです。

UA と GA4 は何が違うのか?

かんたんにいうと、計測方法 (= 概念) が変わる

UA と GA4 では計測方法というか概念自体が変わっている感じです。新しい別のアクセス解析ソフトを入れるようなものと考えるといいでしょう。

訪問単位から、ユーザー単位の計測に

UA では訪問単位で計測されていたのが、GA4 ではユーザー単位で計測されるようになりました。

訪問単位の計測では、ユーザーがサイトから離脱している間の行動を知ることはできません。それが、GA4 ではできるようになったということです。これの何がすごいかというと、ユーザーの行動をうんと幅広く知ることができるという点です。

過去のアナリティクスが「サイトにやってきた人がどういう行動をしたか」に限って知ることができたのに対し、GA4 では「ユーザーはどこで興味を持ってうちのサイトを訪れ、コンバージョンに至るか」という、マーケティングの本質に近いデータをつかむことを目指している、という感じです。

なぜ今変わるの?

Google Analytics はこれまでも幾度となくアップデートをしてきました。ただ、さまざまな機能を後付けで次々に取り入れていったため、「増改築を繰り返していった古い家」みたいになっているそうです。

今後も時代に合ったより良いサービスを提供するには「ここで思い切って建て替えが必要」的な判断がなされた、それが GA4 への変化ということです。

GA4 にするメリット & デメリット

  • メリット……より詳細で現実的なデータが得られるように
  • デメリット1……概念自体が変わるので、知識も設定もがらっと入れ替えないといけない
  • デメリット2……まだ対応していないサービスやツールがある

メリット……より詳細で現実的なデータが得られるように

前述のとおり GA4 で計測の概念が変わったことで、従来できなかった次のようなことができるそうです。

  • 再訪したユーザーの行動を知る (何度か訪問したのち問い合わせに至ったユーザーを把握できるなど)
  • 問い合わせに至りやすいユーザーの特徴をとらえる (機械学習による)
  • 初回訪問してくれたユーザーがどこからきたか? をチェック
  • ユーザーのサイト内移動がかなり詳しく見れるようになった (例: 問い合わせに至るまでに見たページ、など)

もはやアクセス解析と呼んでいいのか? というくらい高度です。これを引き続き無料で使えることはメリット以外何ものでもないでしょう。

デメリット1……勉強し直し、設定ほぼ全部やり直し

GA4 のデメリットのひとつは、概念自体がごっそり変わっているので、それについていくのがたいへん、という点です。

例えば、GA4 では「直帰率」という指標が消えました。これも計測概念が変わったことの影響のひとつです。GA4 ではユーザーのより詳しい行動を知ることができるため、「エンゲージメント」という指標に置き換えられました (サイトと何らかの関係を結んだ人の率、といった意味)。

また、UA 版で作ったセグメント、コンバージョンなどの設定は、基本的にすべてやり直しです。カスタムレポートも作り直しです。計測概念が変わったため、解析画面の項目も変わり、「同じ設定をそのまま移行」というのもできません。

デメリット2……まだ対応していないサービスやツールがある

Google ビジネスプロフィール、データポータルなどの連携がまだきちんと対応していない点はデメリットといえます。また、ショッピングカート各種もほとんど GA4 対応がなされていません (現在のところfutureshopが2022年10月に対応と発表されているくらい)。

ただし、これは時間とともに解消されていくでしょう。

しかし、メリットデメリット関係なく強制移行

と、メリットデメリットを挙げました。しかし、デメリットを心配してステイしたところで、来年7月に強制的に使えなくなるだけです。来年以降も Google Analytics を使い続けたいのであれば、GA4 への移行は必須です。

むしろ、これを好機と考えるしかないのではないでしょうか。前述のビデオセミナーでは「目標設定の棚卸」をおすすめされていました。本当に今までのコンバージョン設定でよかったのか、本当に意味のあるデータはどれなのか。きちんと理解している人は中々少ないのではと思います。

「アナリティクス変えたくないんだけど」という人へ

「Google アナリティクス使い続けたい」と思うならば選択の余地はありません

UA のまま放置しておくと来年にはデータが見られなくなるので、それが困るという人は GA4 へ切り替えるしかありません。

GA4 への切り替えがどうしてもイヤなら、Google ではない他のアナリティクスツールに乗り換えるのもアリです。が、ぶっちゃけ今まで Google アナリティクスに慣れ親しんできたかたには、GA4 へ切り替えるほうがハードル低いと思います。

無料なので我慢してください

高機能なアクセス解析を無料で気軽に使えてること自体恩恵なので、切り替えの手間くらいは呑みましょう。GA4 への切り替え (追加) はそんな大した手間じゃないです。

考え方を変え、本質を知るチャンスだと思いましょう

たしかに GA4 の画面は最初はとっつきにくく思えますが、逆に、アクセス解析について新たに知る機会でもあります。

GA4 がより現実に即したデータを集められるようになると「とにかくなんでもいいのでPVが上がって直帰率が下がればいい」といった考え方はどんどん無意味になっていくでしょう。

というか、そもそもPVしか見てない(笑) という人にとっては、GA4 に変わったところでぶっちゃけほとんど影響はないと思います (PV数は GA4 になっても引き続き見れます)。どちらかというと大変なのは、Google Analytics を細かく設定して使いこなしてきたかたたちの方かもしれません。

これを機に Google Analytics をもっと使いこなしていきたいものですね。