先日、自分のナレッジパネルができているのをたまたま知ったので、ナレッジパネルの認証をやってみました。ついでに、ナレッジパネルとはなに? ということについても調べました。
昨今検索順位に強い影響を与えていると言われる「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」にも関係がありそうだということもわかりました。
ナレッジパネルとは?
ナレッジパネルとは、Google 検索の機能のひとつです。人名やものの名前を検索したときに、検索結果とは別に、そのキーワードについての情報がパネル状に表示される機能です。
幅広いデバイスで見たときは右上あたりに表示されます。
「ナレッジパネルの認証を受ける」の方法(かんたんです)
例えば私のように、特別有名というほどでもない個人でも、ナレッジパネルが現れることがあります。なぜ表示されたのか、理由は後述します。
表示されるようになったナレッジパネルは、「これはたしかに私本人ですよ」とGoogleに申し出ることができます。認証が通ると、ナレッジパネルに表示される情報を追加したり、変更したりできるようになります。
ナレッジパネルの認証を受ける手順はかんたんです。
- Googleアカウントでログイン、自分や組織の名前で検索
- 「ナレッジパネルの認証を受ける」のリンクをクリック
- 専用フォームが現れるので、各種情報を送信
フォームで送る必要があった情報はざっくりこんな感じでした。
- 申請の理由
- 戸籍上の本名
- 自分+証明書の自撮り写真
- 公式プロフィールのいくつか(SNS、公式サイト)と、そのスクリーンショット
申請の理由
「ウェブサイト制作や著作など活動をしていて、信頼性を表したいから」みたいなことを書きました。
自分+証明書の自撮り写真
これがちょっと変わっているんですけれども、自分の手に免許証を持って、自分の顔と一緒に自撮りします。その写真を送ります。申請フォームには説明がちゃんと書いてあります。
プロフィールURL+スクリーンショット
Twitterアカウントのプロフィールページ、Facebook、Amazonの著者ページ、自社サイトのURLを送ってみました。
送信した内容は、人力で確認される模様。メールは登録に使ったGoogleアカウントのgmailアドレスに送られてきます。
私の場合、申請してから5,6時間後に「申請が完了しました」というメールが来ました。
これで即座にナレッジパネルの内容が変わるわけではないのですが、おいおい充実されるのかもしれません。
ナレッジパネルは、どんなときに表示されるのか?
ここからは、ナレッジパネルってなんなの? というあたりをもう少し詳しく掘り下げます。
いろんな言葉を検索して、ナレッジパネルがどんなふうに表示されるか調べてみました。写真の中で右側の枠がナレッジパネルです。Wikipediaの情報が引用されることが多いのが見て取れます。
一般名詞
歴史上のできごと
人物名
スポーツ選手やミュージシャン、バンド名、歴史上の人物などを検索しても現れます。
施設やお店の名前
超有名店を検索してみると、Wikipediaの情報がナレッジパネルが表示されました。企業としての情報が出ているようですね。
全国的に有名というわけではない施設、例えば病院名で検索してみましょう。
ナレッジパネルは表示されました。この場合は、Googleマイビジネスに登録された情報が出ているようです。
同じ病院名でも、日本全国に間違いなく複数ありそうな名前で検索するとどうでしょう。
この場合は、ナレッジパネルが表示されませんでした。Googleマイビジネスに登録されていたとしても、名前だけではどれか特定できないから、表示のしようがないということなんでしょうね。
ナレッジグラフとは
ナレッジパネルの情報は「ナレッジグラフ」に基づいている、とGoogleブログにあります。
Google Japan Blog: Google 検索のナレッジグラフとナレッジパネルとは
「ナレッジグラフ」とはなんぞや? それは、「Googleが世の中の事実を集めたデータベース」です。ナレッジグラフには膨大な数の事実が格納されていて、Googleアシスタント(「OK, グーグル」) がしゃべる内容を決めるのにも利用されているそうです。
私の名前がナレッジパネルに出てきたのはなぜ?
ちょっと思い立って数年ぶりに「エゴサ」してみたところ、私の名前のナレッジパネルが出ていることに気がつきました。あえて何かGoogleに登録したとか、そういうことはありません。
画像でご覧いただけますとおり、過去私が執筆(共著)した本「Illustratorおいしいネタ事典」(翔泳社)の書名が出ています。
出版社のサイトには著者名がバッチリ載ってますし、Amazonには著者セントラルというのもあります。実はこの数年間、私は本名で検索されるのを避ける工夫をしていたのですが、それでもこのように出てきました。もったいないことしたな。
本を執筆した/著者である、という事実をGoogleはかなり信頼しているんだろうなぁ、ということが読み取れます。
ナレッジパネルの認証を受けるメリットとは? 「E-A-T」との関係?
ナレッジパネルの認証を受けると、ナレッジパネルの情報の更新ができるようになります。ただしナレッジパネルの掲載内容はGoogleが決めているので、それに対して編集を提案できる権利が認められる、という感じです。能動的に自分で好きなように登録するのとは少し違うようです。
で、個人や企業がナレッジパネルの認証を受けると、どんなメリットがあるのか? それは、その人物や企業は信頼性が高い、とGoogleがみなしてくれることです。
昨今Googleが重視している指標に「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」というのがあります。検索結果では、この指標が高いページが上位に表示されると言われています。
ネット上で匿名の個人が好き勝手に意見を述べる時代ですから、Googleは「その情報がどれほど信頼できるか」をチェックできる体制を整えています。ナレッジパネルの認証を受けた人物なら、その人が書いた意見 – SNSの投稿やブログ記事も「信頼できる」と判断してもらえる確率が高いでしょう。つまり検索結果でも上位に出やすい→流入も増える、と考えられます。
ナレッジパネルが表示されない。表示させるには?
「そのメリットを享受したい、ナレッジパネルに自分や会社の名前が表示されるようになりたい」と思っている方は、どうしたらいいか。
店舗・施設・企業→まずはGoogleマイビジネス
ナレッジパネルに表示させたいのがお店、施設、企業の場合は、Googleマイビジネスに登録しましょう。
「ウィキペディアに自作自演」はダメ
一方、個人の場合。
ナレッジパネルの情報にウィキペディアの情報がよく引用されることから、ウィキペディアに載っていることがナレッジパネルが表示されるかどうかのひとつの目安にはなっているようです。
そこで「ウィキペディアに個人名で載ればナレッジパネルも表示されるのでは」と、自分で自分をウィキペディアに記載することを試みる人もいるようです。でも、さして功績もない一般人を百科事典に載せる価値はないので、編集者によって削除されます。
(ウィキペディアの編集者はみんなボランティアです。そういうチートで手をわずらわせるのはやめてあげてほしい)
何かのタグや、SEOテクニックは関係ない
ウェブサイトになにかmetaタグを設定するとか、Schemaマークアップをすればいいとか、SEOの攻略テクニックのようなことをしても、ナレッジパネルは出現しません。
ナレッジグラフって、そういうことではないんです。「Googleが世の中の事実を集めたデータベース」なので、なにか小手先のテクニックで登録させるとかの話ではないわけです。
ナレッジパネルの基礎となるナレッジグラフがどういう基準で情報を収集しているか、というとこれはもうGoogleの手の内のことであり、一般人が知ることはできません。
「活躍」するしかない
というわけでナレッジパネルに自分の名前が表示されるようになりたければ、「世の中の事実」となるような活動をすればいい、のかもしれない。はっきりした答えではないですが、そうとしか言いようがありません。
本を執筆、出版する
私の場合は、本の著者になったことでした。出版社が発表する著者名は紛れもない「事実」と見なされているようです。
報道される
もちろんそのへんのメディアサイトなんかではなく、新聞4大紙とかテレビ局のことを言っています。報道されるような活動があれば「事実」とみなされるでしょう。
そう考えると、プレスリリースは有効なのかもしれません。世の中に広く役立つプロダクト、商品、イベントなどを持っている(やっている)人は、ナレッジパネルを抜きにしてもいい効果がありますしね。
ブログやSNSを本名で(または統一された名前で)運営する
ただ、これ「だけ」でナレッジパネルが出現するとは思えません。著作や他の活動と組み合わせると効果があるかもしれない。
以上、参考になれば幸いです!