レンタルサーバーの選び方、基礎知識

レンタルサーバーとは何か、なぜ必要なのか、などの基本的な知識から、選び方やチェックしたほうがいい機能などについてまとめました。レンタルサーバー選びの参考にしてください。

レンタルサーバーの基礎知識、選び方

レンタルサーバーとは何か

レンタルサーバーとは、ウェブサーバーを借りるサービスです。

ウェブサーバーを借りるとはどういうことかというと、レンタルサーバー会社が保有しているコンピューターが実際にどこかにあって、そのコンピューターの領域のいくぶん、または一台を、私たちが料金を払うと使わせてもらえるということです。

レンタルサーバーは和製英語で、世界的にはホスティングサービス (web hosting service) といいます。

レンタルサーバーはなぜ必要なのか?

レンタルサーバーが何のために必要なのかというと、大きい用途がふたつあります。

  • ウェブサイトを公開する (ウェブサーバー)
  • メールサーバー (独自ドメインのついたメールに必要)

自社の/自分のウェブサイトを公開するためには、常にどこかからアクセスできるコンピュータが必要です。これがレンタルサーバーのひとつ目の用途です。

もうひとつ、レンタルサーバーが必要な理由は、メールサーバーです。レンタルサーバーの多くにはメールサーバーもセットになっています。独自ドメインのついたメールを使いたければ、自分たちだけのためのメールサーバーが必要なのです。

ちなみに、ウェブサーバーは自分で用意することもできます。ウェブサーバーの本体はコンピュータそのものなので、自分のコンピュータをウェブサーバーに仕立て上げればいいのです。ただし、これにはかなり深いITの知識が必要ですし、電力も問題になります。だからレンタルサーバーを契約するほうが、多くの人にとって便利なのです。

どういうレンタルサーバーを選ぶべきか?

レンタルサーバーを選ぶときに気にしたほうがいいのは、次のような要素です。

  • サーバーの容量……十分な容量のプランを選ぶ
  • サーバーの速度……速いに越したことはない
  • 管理画面……レンタルサーバーにはさまざまな設定がつきもの
  • サポート……問い合わせに対応してもらえるかどうかなど
  • 機能……バックアップやセキュリティなどほしい機能がついているか

以下、それぞれを説明します。

サーバーの容量

サーバーの容量というのは、コンピュータでいうところのディスク容量です。あまりに小さいとウェブサイトのデータやメールなどのデータを置ききれなくなって、整理する必要が出てきます。

どのくらい必要かというのは一概にはいえないのですが、目安を挙げましょう。「ふつうに」ウェブサイトひとつと、2〜3のメールアドレスを運用するのでしたら、2〜300GBのプランで十分ではないかと思います。

サーバーの速度

速いサーバーではウェブサイトの表示がスムースですので、速いサーバーに越したことはありません。ただ、スペックをみて「どれくらい速い」と判断するのは難しいので、評判を調べたり、使ってみないとわからない面もあります。詳しくは後述します。

レンタルサーバーの管理画面

レンタルサーバーを使うのにはさまざまな設定がつきものです。なので、管理画面が使いやすい、理解しやすいサーバーを選びたいです。

サポートやヘルプ

あまりこういうことに慣れていなくて、という方は、サポートが充実したレンタルサーバーを選びたいところだと思います。しかし、レンタルサーバーのヘルプデスクは一般的に省エネで、安いプランは電話問い合わせ不可とか、電話もチャットもほとんどつながらない、というケースは珍しくありません。

どうしてもサポートが必要なら高額ですがビジネス向けプランを選ぶか、もしくは割り切って、この機会にコンピュータ周りのことに詳しくなって自力でなんとかするか、どちらかの方針にするのがよいと思います。その際に、ヘルプ文書が充実したサーバー会社だと安心ですね。

レンタルサーバーの機能、アップデート性

必要な機能が備わっているかどうか、それと、新しいソフトに更新されているかどうか、もチェックしたほうがいいです。詳しくは後述します。

「速いレンタルサーバー」とはどういうことか

レンタルサーバーの「速さ」というのは、あなたのお手元のコンピュータでいうところの「速い」「重い」と同じことです。

レンタルサーバーの本体はコンピュータそのものなので、それにはスペックがあります。より高スペックで、よく管理されていて、常に新しいものにアップデートされているレンタルサーバーは「速い」といえます。

どのくらいのスペックだとどのくらい速いのか、というのは素人にはわからないのですが、サーバー会社の中では計算の根拠があるようで、広告でよく見る「業界最速!」というようなキャッチコピーは、そういう基準をもとにしているそうです。

ただし、レンタルサーバーも使い方によっては「重く」もなりえます。これも個人のコンピュータと同じですね。

たとえばWordPressをインストールする場合。それ自体がプログラムのかたまりのようなものなので、静的なつくりのウェブサイトよりはどうしても「遅い」「重い」になりがちです。特に、よくわからずにやたらめったらプラグインを入れていると「重い」になりやすいでしょう。またふだんは気にならなくても、アクセスが集中して「重い」ことがわかった、というケースもあります。

以上のように、選ぶときにはできるだけ高スペックなレンタルサーバーがよいのではありますが、使い方次第という面もあります。

レンタルサーバーを選ぶ際にぜひチェックしてほしい機能

  • バックアップ機能
  • ソフトウエアのバージョン (PHP, データベースなど)
  • セキュリティ系機能
  • SSL

バックアップ機能

サーバーの中身を定期的にバックアップしてくれる機能があると便利です。WordPressを利用する方は、データベースのバックアップ機能もついているとありがたいです。

ソフトウエアのバージョン (PHP, データベースなど)

これは、WordPressを利用される方は必ずチェックしておいていただきたい点です。ウェブサーバーはコンピュータそのものなのですから、その中にソフトウエアが入っています。代表的なのがPHPとデータベースソフト(MySQLなど)で、それらをもってWordPressのようなCMSを動かしています。

例えばこの記事の時点で、WordPressの最新版はPHP7.4とMySQL5.7を必要とします。それより古いバージョンのPHP/MySQLしか使わせてもらえないレンタルサーバーは避けなければならない、ということになります。

セキュリティ系機能

こちらもWordPressを使う予定の方は必ず気にしておいていただきたい点です。次のようなセキュリティ機能がついているサーバーをできれば選んでください。WAFは昨今だいたいのサーバーについていて、あとは各社それぞれという感じです。

  • WAF (ウェブアプリケーションの不正動作を防ぐ)
  • 改ざん通知 (不正に書き換えられたファイルを検知する)
  • IPS (サーバーへの不正侵入の検知機能)
  • WordPress用のガード機能

WordPressはそれ自体がプログラムのかたまりですから、セキュリティに関しては常に気を配る必要があります。

SSL

SSLはいわゆる「https://〜」で始まるURLを提供するセキュリティ機能で、昨今どのようなウェブサイトでも必須です。今どきあまりないとは思いますが、SSLが使えない、または有料でしか提供していないレンタルサーバーは避けたほうがよいです。

レンタルサーバーと独自ドメインの関係

レンタルサーバーを契約するのに独自ドメインが必須というわけではないのですが、合わせて独自ドメインも用意しましょう。

ビジネスのためには、独自ドメインは実質必須とお考えください。ウェブサイトにも、メールアドレスにも、独自ドメインがついているのが当たり前ですし、信頼性などの点で有利です。

もし、レンタルサーバーを契約して独自ドメインがない場合は、ウェブサイトのURLはサーバー会社から用意されたものが割り当てられます。

ネットショップをやりたい場合のレンタルサーバーは?

基本的には、レンタルサーバーを契約しただけではネットショップはできない、とお考えください。

ネットショップを作るには、普通の企業サイトやブログを作るのとは別のしくみが必要です。レンタルサーバーを契約して、そのサーバー領域に自前でショッピングサイトシステムをつける、という方法はあります (WordPressのプラグインやEC CUBEなど) が、初心者向けの方法とはいえません。

ネットショップをやるご自身やまたは社内のメンバーの中にウェブ技術者がいるならば話は別ですが、そうでないなら、ネットショップを作るのには「ネットショップASP」(ようはカートシステムのレンタル) を契約するのが一般的です。

個人用とビジネス用のレンタルサーバーは違うのか?

レンタルサーバーの機能じたいが「個人専用」「ビジネス専用」と明確に分かれているわけではありません。

では何が違うのかというと、ビジネス用のサービスではサポートがより手厚く受けられたり、障害に強いサーバー構成やセキュリティ機能の充実などが加えられている場合が多いです。

個人でも一度に多くのサイトを運営したいなどの希望があって、なおかつ予算がかかってもかまわないなら、個人がビジネス用サーバーを契約してもいいのです。

逆に、企業でも少人数で、ウェブサイトもかんたんなものがひとつあればいい、というならば個人向けのプランを選んでも問題ないのです。

やりたいことの規模やサービス内容でお好みのものを選びましょう。

個人・個人事業主、フリーランスにおすすめのレンタルサーバー

個人の趣味的ウェブサイトや、個人クリエイターのプロモーションサイトが目的なら、さほど高スペックなサーバーは必要ありません。価格の目安としては、月額500〜1,000円も出せば十分です。

ディスク容量も、ひとつのウェブサイトと2〜3のメールアドレスを運用するだけならば、あまり気にしなくて大丈夫です。最安プランでも1〜300GB程度ついている場合が多いですが、おそらくそれで大幅に余ると思います。

https://factory70.com/web-hosting-service-for-small-business/

中小企業におすすめのレンタルサーバー

前述のとおり、企業は絶対にビジネス用サーバーを使わなければならないということはありません。ウェブサイトは会社サイトがひとつ、メールアドレスは数個あればいいということでしたら、個人向けのプランを選んでも問題ありません。ディスク容量は余裕のあるものを選んだほうが良いでしょう。

ただ、個人向けサービスはサポートはあまり期待できませんので、なんでも自力で調べるという姿勢が必要です。

それが心配なら、ビジネス向けで「手厚いサポート」を売りにしているサービスを選ぶのが良いでしょう。ただし、価格は個人向けよりは高額です。

レンタルサーバーに迷ったら、有名大手にしておくといい。その理由

レンタルサーバーは調べれば調べるほどたくさんのサービスが見つかるので、迷うところだと思います。「どれにしたらいいかわからない」という方は、有名なレンタルサーバーを選んでおくのがおすすめです (具体的な企業名は後述します)。

なぜ有名レンタルサーバーにしておくのがいいのかというと、もし何かで困ったとき、ググれば情報が見つかりやすいからです。

「このサーバーを使っていたら、こんな設定で困ったけど、こうやって解決したよ」というブログ記事を書いている個人がいるはずなのですが、有名レンタルサーバーは利用している人が多いおかげで、そういった情報が見つかりやすいのです。

レンタルサーバーの大手3社をご紹介

レンタルサーバーのいちばん有名な3社をご紹介しておきます。ビールでいうところのキリン・アサヒ・サッポロですね。どうしても決めきれなければ、まずはこの3社から検討してみてください。

それぞれ、特徴を紹介していきましょう。

エックスサーバー

日本全国シェアが1位で、サーバー自体の機能も非常に充実しているため、ウェブのプロでも好んで利用している人が多いレンタルサーバーです。そのかわり最低価格だけ見比べると他2社よりは高いです。

ロリポップ

値段が安いサーバーをお望みでしたらおすすめです。かつては「個人向けサービスなので企業サイトに向かない」というイメージが強かったですが、サーバーの増強も進んでおり今はかなり安定しているので、企業向けにも十分利用できます。

さくらインターネット

サーバー機能と価格のバランスが良くお値ごろ感の高いレンタルサーバーです。初心者向けプランからビジネス用途の高額プランまで幅広く用意されています。サポートコンテンツも充実しています。

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