「SEOの費用」とひとことでいいますが、「お金を払って丸投げすれば、それだけで検索順位が爆あがり」というような施策はどこにも存在しません (そういうことを言ってくるのは詐欺業者と思っていただいて間違いないです)。
ですので実際には、向上のための様々な施策に費用がかかる、それが「SEOの費用」というものだとお考えください。つまり、コンサルティング費やコンテンツの制作費、技術的改修費のことです。
ちなみに、「SEO対策」という言葉はちょっと変なので、プロはあまり使いません。単に「SEO」というほうが適切ですので、このサイトでも「SEO」と表現しています。
SEOの費用って何にかかるの?
SEOの費用とは、主に次のようなものが考えられます。
- コンサルティング費
- 検索順位を上げるために何をしたらいいか、どんなキーワードを狙うべきか、などのアドバイスや指示、分析を受けるための費用。
- コンテンツ制作費
- あるキーワードで検索上位になるためにはコンテンツ (ブログ記事など) を増やさねばならない。その制作費。
- 技術的な改装のための費用
- ウェブサイトの技術的な面を適切にするための施工費。
それぞれを具体的にみていきましょう。
コンサルティング費
SEOってそもそも何をすればいいのかわからない、という場合にはコンサルティングをまず受けたほうがいいですね。「どんなキーワードでの上位を狙えばいいか」などのアドバイスを受けることが有効です。
検索上位といいますが、どんな言葉でもいいから上位に来ればいい、というわけではありません。どんな検索ワードで上位に来れば売上を伸ばせるか。商売のあり方によってさまざまな最適解があるはずですが、素人ではなかなか判断しづらいところでもあります。そこを助けるのがSEOコンサルティングです。
SEOのコンサルティング費の例
- 月額15〜40万円
- 月1〜2回のコンサルティングセッション、現状分析、キーワード選定、コンテンツ作成の指示など
コンテンツ制作費
「どんなキーワードで上位を狙うべきか」がわかれば、それを満たすようなコンテンツをサイト内にたくさん作っていくことが必要です。具体的にはほぼ、ブログ記事の執筆・ライティングのことです。
これも自社でコツコツやればいいのですが、「自分では書けない、やり方がわからない」「時間が取れない」「人手がない」というならば外注も考えられます。当然、外注すれば制作費がかかります。
SEOのコンテンツ制作費(記事制作)の費用の例
- 記事1点2〜5万円、あるいは必要な記事数をまとめて契約
- SEOとして効果が出るまでには、おおむね50〜100本の記事が必要
技術的な制作・改装費
SEOには技術的な施策が必要な場合もあります。たとえば「HTMLタグやmetaタグが正しく書き出されるように修正する」、「ページの表示速度を上げるため改造する」など。ウェブサイトの制作時に全てカバーされていれば必要ありませんが、制作依頼をする際にデザインのことしか頭にない人が多いので、後から補修が必要なケースが多いです。
SEOの技術的改装の費用の例
- スポット的な (ごく狭い範囲に限った) 改修の場合……2〜10万円/回
- 全般的な改修……20〜80万円
SEOを丸投げ外注することの問題点
以上のように、費用をかければSEOを外注することは可能です。しかし、外注に丸投げすることには色々と問題があります。
記事の質と費用の関係
- 質の低い記事を量産されても、あまり効果がない
- しかし、質の高い記事を量産しようと思ったら、莫大な金額がかかる
記事の作成を丸投げする際に費用をケチると、実際に執筆を投げる先がクラウドソーシングサイトの素人ライターだったりするので、どこかからパクってきた質の低い記事が量産されてしまいます。パクリ記事はGoogle検索エンジンのアップデートによってそのうち淘汰されるので、つまり近い将来お金が無駄になりうるわけです。
SEOで有効なのは「質の高い記事がたくさんある」状態です。質の高い記事をたくさん作ろうとすれば、単価の高いライターが必要です。さらには、マニュアルの整備やチェック体制の構築も必要です。そうすると当然、莫大な金額がかかります。
小規模の事業者様にとっては、とてもじゃないけど納得できない金額になってしまうことがほとんどでしょう。
SEOとはそもそも、時間がかかるもの
- 「正しいSEO」は、即効性がない
- しかし「即効性のあるブラックなやり方」をされても、見抜けないし、デメリットが多い
また、SEOを丸投げ外注したからといって、その効果が現れるのは早くても3ヶ月後以降の話です。
そうなると「速攻で効果が出ます」と謳っている業者に惹かれるかもしれませんが、それは検索エンジンの裏をかくようなやり方だったりします。納得して受けるのならいいのですが、「専門的なことだからよくわからない」と丸投げで任せていると、思ったのと違う方向へ行ってしまうこともあります。
ちなみに、売上向上の即効性を求めるのであれば、リスティング広告を併用するほうがいい場合もあります。ただし、これも費用はかなりかかります。
正直なところ、できれば自社で取り組むのがいいと思います
特にB to Bや、慎重に選択するタイプの商品・サービスであった場合、御社が持っているノウハウそのものが「お客様の役に立つコンテンツ」になっている場合も多いです。
おそらく、自社で書いた文章の方が、外注ライターが書いたものよりもずっと「お客様の役に立つ」ものになりやすいでしょう。もちろん、ある程度のライティング技術は要求されますし、押さえなければならない知識もそれなりにありますが、それでも取り組む価値はあります。社内にコンテンツ制作のノウハウが蓄積できるからです。
費用が有り余っているならば話は別ですが、そうでないならば、コンサルティングと技術面のみを外注、コンテンツは自社内で制作あるいは管理、というのをおすすめしたいです。