「資料ダウンロード (F70 Lead Document Download)」というWordPressプラグインを公式ディレクトリで公開しました。この記事では、このプラグインの開発のきっかけや思いについて述べます。
機能詳細などはプラグインのページをご覧ください。
何に使えるプラグインですか?
- B to B サービスにおけるリード獲得、資料やホワイトペーパーの配布
- 個人クリエイターの、作品集や価格表の配布
いわゆる「リード獲得」という行為のための機能です。
企業が事業を紹介するウェブサイトや、ポートフォリオサイトに使えます。よかったら活用してあげてください。
メールを入り口として見込客と関係を築いていく営業手法は、一部の企業では比較的一般的ですが、じつは個人事業主やフリーランサーにも有効です(あまりやっている人はいないけど)。
「資料ダウンロード」のやり方がわからない
さて、資料配布が有効なのはわかるけど、やり方がわからない、ウェブサイトにその機能を持たせるにはどうしたらいいの?という相談は以前からよくありました。
高価なマーケティングオートメーションツールにはそういった機能が組み込まれているはずですが、いきなりそれを導入する予算はない…という声を聞きます。
ただ、やり方がわからないからといって、誰にでもダウンロードできる状態にしてしまっては、見込客と接点を持つきっかけも失ってしまいます。
無理矢理工夫してみたらGoogleで丸見えになってしまった例
ある企業では、社内のウェブデザイナーがなんとか手持ちの技術で「資料ダウンロード」を実現しようと、苦労をしました。某有名問い合わせフォームプラグインを少し細工して、フォームへの記入が済んだら資料ダウンロードページへ誘導されるという手法を使ったのです。
これはいちおう見込客のメールアドレスを受けとることができました。ただ、アップロードしておいたPDFの資料をGoogleボットはご丁寧にも見つけてくれて、検索結果に上がるようになり、同業他社に情報がダダ漏れという困った事態になってしまいました。
そんな事象を目にして、WordPress上でかんたんにダウンロードフォームを作れるプラグインがあったらいいのにな……ということで開発を始めたのが「資料ダウンロード (F70 Lead Document Download)」です。
なぜあえて自家開発したか — 冷やかし排除機能をつけたかった
じつは似たようなWordPressプラグインは、海外製でよければすでにいくらか存在します。
ただ、個人的な体験から「冷やかし」を排除する機能をどうしても持たせたかったので、自分で作ることにしました。
作者はイラストレーターでもあります。制作受注サイトではかなり前から、ポートフォリオを配布するためにダウンロード受付機能を設けていました。これがこのプラグインの「元ネタ」です。
ポートフォリオを配布する目的は、当然ながら、出版社や制作会社と接点を持つためです。しかし初めの頃、あからさまに一般人の冷やかしと思われる利用が後を断ちませんでした。
冷やかし利用者の目的は、個人的にイラストを鑑賞したいという興味本位、同業者が参考にするため、フリー素材の代わりに使おうとしている、などです。こっちは真剣に商売をしているのに、イラストレーターだからといってナメてかかってくる人たちに好き勝手されるのはとても不快でした。
資料ダウンロードで冷やかしを排除する方法
そういうことがあったので、冷やかし利用をキャプチャする方法を探しました。その結果有効だったのは、ひとつは職業欄や利用目的欄を設けること。もうひとつは「捨てアド」のブロックです。
職業欄は、選択肢にわざとNGの項目を紛れ込ませておき、NG項目を選択した人はその先へは進ませない、という方法です。先の例でいえば「一般」「イラストレーター」などを選択した人を排除するということです。
「捨てアド」とは、ショッピング用などに使われる短時間で破棄されるメールアドレスで、無料で作成できるウェブサイトがいくつも存在します。これらのサービスに関連づいたドメイン名をあらかじめ調べておき、そのメールアドレスが入力されたらブロックします。
冷やかし利用者の何割かは捨てアドを使ってきます。捨てアドは後から連絡を取れないので、資料を渡す意味がありません。そもそもまともな依頼主が捨てアドを使ってくるわけがないので、容赦なくブロックしても売上には全く影響を及ぼさないでしょう。
以上のような対策を「元ネタ」に施した結果、冷やかしを気にすることはあまりなくなりました。それでこれを「資料ダウンロード (F70 Lead Document Download)」にも引き継いだのです。
もちろん冷やかしを全く気にする必要がない方はこれらの機能を使わないようにもできます。
営業活動への利用方法
「資料ダウンロード (F70 Lead Document Download)」を設置して無事見込客のアクセスが得られたら、それで終わりではありません。連絡をとっていきましょう。まずは数日後に、興味を持ってくれたことに対するお礼のメールを送ってみてはいかがでしょうか。
その後のやり方は色々とノウハウがありますが、またここでも書いていきたいと思っています。