「ホワイトペーパー配布」の意味とは?「資料ダウンロード」との違いは何なのか

「ホワイトペーパー」や「資料ダウンロード」とは何なのか? オンライン営業活動の一環でいわゆる「リード獲得」のために導入されることの多い「ダウンロード配布」についてまとめてみました。

「ホワイトペーパー」とは?

ホワイトペーパーを日本語でいうと「白書」です。白書の本来の意味は、政府が経済などの状況を調べ、将来の政策を説明するために用意する報告書のことです。英国政府の報告書に白い表紙がついていたことから「ホワイトペーパー」という呼び名ができたとか。

最近は、オンラインマーケティングの分野で「ホワイトペーパー」という言葉を使うことが増えています。

この場合の「ホワイトペーパー」は、見込客への情報提供のために提供する「お役立ち資料」のことを指しています。

「この分野では、こういう動向がありますよ」とデータを示してノウハウをつづることが多いので、政府の「白書」に似ているということでこの呼び名が使われるようになったのでしょう。

「ホワイトペーパー配布」や「資料ダウンロード」機能とは

PDFダウンロードの仕組みは、このようなものを設けます。

  1. ホワイトペーパーや資料をPDFデータで作る。
  2. ウェブサイト上にメールアドレス、会社名、氏名などを入力するフォームを設ける
  3. ウェブサイトの利用者がそのフォームに入力すると、PDFファイルをダウンロードすることが可能になる。

「ホワイトペーパー配布」や「資料ダウンロード」は何のためにやるのか

ホワイトペーパーや資料などのPDF配布は、主にB to Bや高額なto Cサービスのウェブサイトにおいて、見込客との接点を持つために設置するしくみです。

ウェブサイトを訪問した人は、普通は数ページ閲覧したら去っていきます。to Bサービスなどでは客は慎重に検討をするので、そう簡単には問い合わせには至りません。

そこで、問い合わせよりもライトな「ダウンロード」という行為で接点を持つ、というのがダウンロード配布の狙いです。

ちなみに誰でもダウンロードできるPDFファイルでは「接点」は生まれないので、資料ダウンロードのためには何らかのウェブ技術による仕組みが必要です。

「ホワイトペーパー配布」と「サービス資料ダウンロード」は違うの?

ホワイトペーパーとサービス資料。両者は違う内容の資料を指しています。

ウェブサイト上では同じPDFファイルの配布で、ほとんど同じ仕組みを使うでしょうが、「ホワイトペーパー」と「サービス資料」、わざわざ呼び名が2種類あるということは、お互い少し違うものだということです。

  • サービス資料 = 提供サービスの案内
  • ホワイトペーパー = 役立つ資料、ノウハウの提供

サービス資料 = 提供サービスの案内

サービス資料は、提供しているサービスの内容を説明した資料。発注の流れや製品情報、価格などを掲載する。

ホワイトペーパー = 役立つ資料、ノウハウの提供

ホワイトペーパーは、「お役立ち資料」。見込客が欲しいと思う情報、他業界ではああまり知られていない情報などを掲載する。

どちらを配布したほうが受注の効果が高いのか?

ホワイトペーパーとサービス資料。「売上を伸ばすためには、どちらを配布すべきなのか?」

結論からいうと、一概にどちらがいいとはいえません。

それぞれ効果が違い、ホワイトペーパー vs サービス資料、と単純に比較すべきものではありません。

  • ホワイトペーパー = 潜在的な客にリーチする
  • サービス資料 = 確度の高い客と接点ができる

ホワイトペーパー = 潜在的な客にリーチする

ホワイトペーパーは「お役立ち資料」です。その情報を無料で得られることに惹かれてダウンロードする人が多数います。

その人たちは何か知りたいことがあり、何か手助けを必要としていて、色々調べた結果御社のウェブサイトにたどり着いたのでしょうが、サービス自体に興味があるかどうかはわかりません。

サービス資料 = 確度の高い客と接点ができる

サービス資料をダウンロードする人は、そのサービスを「もっと詳しく知りたい」と思っている人です。つまり、すでにそのサービスに興味を持っているか、あるいはすでに検討をしている人です。

成約率だけなら サービス資料 > ホワイトペーパー だが

以上のことから、「PDFダウンロードから成約に至る率」が高いのはサービス資料のほう、といえます。実際に調査を行ってもそのような数値が出ます。

しかし、それを根拠に「サービス資料のほうが売上が伸びる」と結論づけるのはあまり正しくありません。

なぜなら、ダウンロード数だけに注目すれば、ホワイトペーパーの方が格段に多くなるはずだからです。サービス資料だけでは潜在的な客の多くを「素通り」させてしまっているのです。

  • サービス資料をダウンロードするのは少数の確度の高い客
  • ホワイトペーパーをダウンロードするのは、確度は低いが多数の客

たぶん、多くの企業が優先するのはサービス資料ダウンロードのほうでしょう。でも、できればホワイトペーパーも配布して、両方カバーできるのがベストです。

PDFダウンロード「配布するだけ」ではもったいない

「客はそう簡単には問い合わせには至らない」。ウェブサイトにダウンロード配布のしくみがなければ、大半の人が見るだけで去っていきます。それに比べれば、ホワイトペーパーやサービス資料のダウンロード配布があるだけでも、受注確率を上げるのに効果があります。

ただ、配布するだけであとは何もしないのではもったいない。せっかくメールアドレスや会社名を受け取ったのですから、営業活動に積極的に役立てていくべきです。

ここでつまづきやすいのが、ウェブ担当と営業担当の情報共有です。よくある問題は、ウェブサイドからはせっかく生まれたリストが提供できていないこと、営業サイドではウェブ経由の情報を軽視しやすいこと、などが挙げられます。

でもまずは、ダウンロード機能を設置すること!

ウェブサイトはあっても資料配布ダウンロードそのものをやっていないのならば、まずはやってみることです。

「ダウンロード機能を設置する方法がわからない」という方。もし、WordPressで手弁当で運営している企業サイトなら、プラグインで設置できます。いきなり高価なMAツールを導入するのはなかなか……という場合にもってこいです。