Instagram (インスタ) をお店のホームページ代わりにするのは本当にやめてください。みんな困ってる

最近、お店を探してGoogleマップなどを見ていると、お店の公式ウェブサイトの代わりにInstagramのアカウントページを載せているところが多いです。

一般客として「あーまた? 勘弁してほしい……」と残念な気持ちになります。

ウェブの専門家として客観的に言いますと、これは本当にやめるべき。SNSだけやるのではなく、ウェブサイトを公式として持つべきです。

お店の公式ウェブサイトの代わりにInstagramのアカウントページを使うのはやめよう

Instagram (インスタ) をお店のホームページ代わりにしていると、インスタやってない人からどう思われているかを知ってもらいたくて、この記事を書きました。正直、困ってる人がいっぱいいます 🙁

「選ばれるお店」「選ばれるサービス」でありたいなら、独自ドメインのついたウェブサイトを持ちましょう。無料とは言わないまでもかなり安い値段でやる方法があります。

25/10/01 大幅にリライトしました。

「公式サイト代わりのインスタ、やめてほしい」という声

最近、一般の方から「インスタを公式サイトがわりにするのやめてほしい」という声が上がっていて、Xではこういう投稿をちょくちょく見かけます。

インスタのアカウントを持っていない人からは「情報がそもそも読めない」「Googleマップに載ってるちょっとした情報しかなくて困る」、インスタのアカウントを持っている人でも「延々タイムラインをさかのぼらないと知りたい情報が出てこない」という声が上がっています。

インスタにログインしていない人からどう見えているかご存知ですか?

インスタのアカウントを持っていない人、ログインしていない人にはほとんどの情報が読めません。くわしくはこちら↓

いちおう、アカウントページを開くことはできます。ここで画像だけは見えますが、詳細やコメントを読もうとすると、ログインを求められてそれ以上読むことができません。

「インスタのアカウント持っていない人お断り」ですか?

「インスタのアカウントを持っていない人は当店の情報を読めなくていいし、来てくれなくていい」とお考えであれば、別に「インスタだけ」で何にも問題ないんですよ。

でも、そうじゃないですよね?

なんでこう不満に思っている人が増えているかというと、どう考えてもそんなふうに顧客を限定していないであろうラーメン屋さんやケーキ屋さんが「インスタのみ」をやっているから、なんですね。

一般客の目線からみて、「詳細はインスタで」って書かれてあると「インスタをやらない人は来るなって意味なのかな?」「インスタで繋がっていない人は歓迎しない店なのかな?」と思ってしまいます。

そうやって知らずのうちに新規客を遠ざけている、ということに気づいてほしい。

DM問い合わせのハードルの高さ

「お問い合わせはインスタのDMで」、これもまた、客にはハードルが高いです。

「お問い合わせはインスタのDMで」とは、つまり、「インスタのアカウントを持っていない人は問い合わせ自体をしてくるな」という意味です。それでいて電話番号も載せていない (インスタにしか書いてないので、知ることができない) 、なんて事態も発生しています。

こうなってしまうと、客の立場からすると、インスタのアカウント持ってるか持ってないか、で対応を振り分けられていることになり、ちょっと意味がわからない……です。正直。

ずっと前からフォローしあっている濃いファンや常連ならばDMにハードルを感じることはないですので、「ファンと常連だけが来てくれればいい、新規客などいらない」と思っているならば、別に「インスタだけ」も間違いではありません。

そんなお店あるかなー、って感じですけど……。

DMは送る客側が自分で文面を考えなくてはなりません。文才のある人ばかりではありませんので、問い合わせに必要な事項すら書かれていなくて、何度もやりとりした経験、ありませんか。だから「お問い合わせはDMで」ではなく、問い合わせフォームを設けておくべき、つまりその設置のためウェブサイトを用意すべき、というのが正解です。

「みんなインスタ使っているよね?」→全然そんなことない

日本人全員、生きている限り必ずインスタのアカウントを持っている、という状況であるならば、別にインスタを公式サイトとして使ったり、インフラみたいに思っていても、別にいいんです。

でも、そんな世界ありえないんですよ。LINEですら使わない人はいるし、マイナンバーカードだって100%は普及しないじゃないですか。

むしろこんなに情報が溢れかえっているこの世の中で、利用するSNSを1つか2つに絞ったり、SNS自体あえて使わないという選択は誰もがしています。

だから「ほとんどの人はインスタ使ってる」と思うのは大間違いです。

むしろ「飲食店経営者界隈」がインスタに偏っている、と言ったほうが正確です。

「若者はインスタ使っているから」の矛盾

「インスタを使っているのはだいたい若者だから、これで十分なんだ」ということをいう人がいますが、これにも矛盾があります。

インスタは別に年齢制限ありのSNSってわけじゃないので、インスタ利用者 = 若い人、という式は成り立ちません。むしろ30代、40代の女性が多い印象です。

また、若い人ほどSNSの選択には敏感です。映えを競い合うInstagramよりも、何も考えずに楽しめるTikTokが好きな人もいるし、ゲームオタクならDiscordだし、平和な場所を求めてMastodonやMisskeyに移住する人もいます。そうやっていろいろなSNSに分散していくから、そこまでInstagramがずっと見られているわけじゃないのです。

ようするに、もっと若者に見てほしいんだったら、使っているSNSに縛られずに誰もが読める、ウェブサイトのほうがむしろ必要でしょ? って思います。

気持ちはわからなくもないのです (お金かかりそう、やり方わからない)

ただね、店主さん側の気持ちも、わからなくはないんですよ。

  • 自分の周りは大体みんなインスタ使ってるし
  • 普段インスタ使ってるから更新しやすいし
  • そもそもホームページなんて作り方わからないし、お金かかるし
  • 「ホームページは古い、今はSNSの時代」みたいなことを聞いたし
  • 「インスタ集客が最強!!」ってインフルエンサーが言ってたし
  • 知り合いのお店もインスタで済ませてるって言ってたし

お店の経営者だからってウェブの専門家ではないわけだし、ウェブ活用のことで客観的な判断って難しいので、みなさん何となく周りを見て、なんとなく右へならえ、されてるんですよ。「公式サイト代わりにインスタだけやってるお店」がすごく増えたのには、そういう背景があると思います。

なぜ、インスタを公式ウェブサイト代わりにしてはいけないのか。その理由

お店をはじめ事業者は、インスタを公式サイト代わりにせず、本当のウェブサイトを用意するべき。その理由をまとめたのがこちら↓

  1. インスタを利用していない人にはほとんどの情報が見れないから
  2. ちょっとしたことを知るのにも延々タイムラインを遡らないといけないから (情報を整理して置くのに向いてない)
  3. いつ使えなくなるか、いつ廃れるかわからないから
  4. 検索して、SNSアカウントしか出てこないと怖いから
  5. DM問い合わせは、ユーザーにハードルが高くて、事業者側にも面倒

詳しくはこちらの記事で説明するので、もしご興味があれば読んでみてください。

ちなみにInstagramが特に目立つので槍玉に挙がりやすいですが、インスタに限らず、X (Twitter) でもFacebookでも同じで、SNSのアカウントページを事業やお店の公式ウェブサイト代わりにするの、NGです。また、個人事業のクリエイターなどでも同じことが言えます。

じゃあ、どうすればいいの? →ウェブサイトを作るべき

インスタやSNSのアカウントページを公式サイトにするのはやめて、ウェブサイトを作りましょう。誰でも、なんのアカウントも持っていなくても、ログインしなくても読めるウェブサイトに、お店の情報をまとめておきましょう

「お問い合わせはDMで」ではなく、問い合わせフォームを設けましょう。予約フォーム、申し込みフォーム、名前はなんでもいいです。お客様に必ず尋ねたいことを項目として用意しておきます。何を書いたらいいか、迷わせないようにします。

予約管理システムを設けるのもいいでしょう (そういう機能がついているウェブサイト制作ツールもありますよ)。

何を書いたらいいかわからない、と思うかもしれませんが、メニューやアクセス方法などの基本情報のほか、お店の信念やコンセプトなどをシンプルに表現するのがいいです。

また、お客様からよくある質問を集めて、FAQとして掲載しておきましょう。FAQが充実すれば、質問onlyの問い合わせに対応する手間が削減できます。

そうやってうまくウェブサイトを活用するほうが、インスタだけよりもずっと集客になります。

SNSを使うな、ということではない。ウェブサイトとSNSは使い分け/両立が重要

ウェブサイトを持て、というのは、SNSをやるなという意味ではありません。

SNSとウェブサイトには違う役割があるので、それを理解して、両方やっていくのがこの時代には必要です。

SNSをうまく使ってお客様とコミュニケーションを取っていくのはとても良いことです。しかしSNSのタイムラインはなんとなく流れていくものであって、受け手もそんなに真剣に見ていない、という特徴があります。

だから、どのお客様にも伝えたい基本的な情報や、コンセプトの芯の部分は、ウェブサイトにまとめておきましょう。ウェブサイトを見にくるお客様というのは、SNSとは違って、わりと真剣にその情報を見ています。

SNS活用というと誰もがすぐ「バズりたい」といいますが、そんなことよりもやるべきことは、「お店の特徴やコンセプトをきちんと伝わるようにする」ことです。

「お店の特徴やコンセプトをきちんと伝えたい」と思ったら、それはSNSよりもウェブサイトのほうが向いています。

安価でウェブサイトを作れるサービスはいくつもある

ワードやエクセルが使えるレベルでウェブサイトを作れるツール / サービスはいくつもあります。ジンドゥとかペライチ、Wixなど聞いたことありませんか? あるいはGoogleサイトも簡単です。

こうしたサービスの中には、無料で使い始めることができるものもあります。

ただし、注意してほしいのは、事業用のウェブサイトには独自ドメインが必須なので、完全無料では使えないということです。

独自ドメインは1年間につき1,000〜5,000円くらいの費用がかかりますし、ドメインの割り当てをしたい場合に有料プラン加入なサービスもあります。

わずかとはいえ費用はかかってしまいますが、独自ドメイン付きのウェブサイトを持っていることのメリットは必ずあるので、ぜひ検討してみてください。

ウェブサイト制作ツールの話や独自ドメインのことは当サイトでも他の記事でお伝えしていますので、よかったら他にも読んでみてください。