「ネットショップ」と「ECサイト」の違いとは

ネットショップの開業について調べていると、「ECサイト」「Eコマース」といった用語が必ず出てきます。「ネットショップ」と「ECサイト」はどう違うのでしょうか。

答えは、あまり大きな違いはありません。ほとんどの人は (業務で携わる人であっても) なんとなく自分にしっくりくる語を使っているだけです。ただし、厳密にいうと「ネットショップ」と「ECサイト」には違いがあります。

「ネットショップ」と「ECサイト」、どのように違うのか

何が違うかというと、注目している部分の違いです。

「ネットショップ」も「ECサイト」も、大まかな意味は同じです。どちらも同じように「ウェブサイト上で商品やサービスを選び、オンライン決済で支払いをする」行為やそういう機能を持ったウェブサイトのことを指しています。

ただし、「ネットショップ」よりも「EC」のほうが、少し大きい概念を示しています。

「ネットショップ」とは

「インターネット上のお店 (ショップ)」、ちぢめて「ネットショップ」です。

「ネットショップ」とは、お店という概念に注目した言葉です。インターネット以前、お店とはリアル社会にしか存在しないものでした。

お店をインターネット上でもやることが可能になったので、リアル店舗と区別して「インターネット上のお店」=「ネットショップ」という呼び方ができた、と思われます。

同じような概念の言葉には「オンラインショップ」とか「ウェブショップ」などの言葉があります。

「ECサイト」「Eコマース」とは

「EC」とは、電子商取引 (英語で electronic commerce) の略称です。

電子商取引を辞書でひくと「ネットワーク上で,個人や企業が商品購入から決済までの商取引を行うこと」と書かれていました。お店というより、取引行為そのもののことを指しているのです。

ちなみに「Eコマース」は電子商取引の別の言い方なので、意味は同じです。

「ECサイト」は「ECを行うウェブサイト」のことです。個人のお買い物もオンラインでやれば「電子商取引」なのですから、「ECサイト」という言葉の中には「ネットショップ」も含まれるといえます。

ただし、ECは、ウェブ上に一般公開された「お店」を指すとは限りません。例えば、企業同士が行う非公開のオンライン取引ネットワークも、広い意味でいえば「EC」です。以上が、ネットショップとECサイトの「厳密にいうと違う点」です。

「ネット通販」は「ネットショップ」とは違う?

ネットショップを「ネット通販」「ウェブ通販」 といった言葉で呼ぶこともありますね。言葉の定義をみると「ネットショップは、通販の一形態」という見方もできます。

通信販売は、小売業態のうちの無店舗販売の一つで、店舗ではなく、メディアを利用して商品又は役務を展示し、メディアにアクセスした消費者から通信手段で注文を受け、商品の販売又は役務の提供をする方法。

wikipedia

「メディア」という言葉が出てきました。商品が載っている媒体のことを指しています。かつて通販といえば、カタログ雑誌が「メディア」でした。ネットショッピングにおいては、ウェブサイトが「メディア」です。

ネットショップ運営に関係の深い法律・特定商取引法でも、ネットショップは「通信販売」に含まれる、と定義されています。

「ネットショップ」の他の呼び方、いろいろあります

  • ネットショップ
  • ECサイト
  • オンラインショップ
  • ウェブショップ
  • ショッピングサイト
  • ネット通販
  • ウェブ通販

日本語は定義よりもノリや語感で用語を選択しがちです。どの用語でも会話が通じればいいのですが、違いを知ることでネットショップに対する理解が深まりやすくなると思います。

ネットショップ開業・開設について全般的なことが知りたい方は「ネットショップを開業するには」を読んでみてください。