レンタルサーバーを比較したり調べたりしていると、Apache や Nginx (エンジンエックス)、LiteSpeed (ライトスピード) という文言が出てきます。
「LiteSpeedだから速い」という書かれ方を見かけたりもしますが、それぞれどう違うのか、だったらApachだとダメなのか? というあたりを、技術に詳しくない方にもわかるように目指して説明します。
ウェブサーバーとは
そもそもウェブサーバーとは何か、という話を簡単にします。今あなたが見ているウェブサイトは、ウェブサーバーがそのデータを作り、あなたに届けたので、見えています。「サーバー」というのは何かを提供する役割を持ったコンピューターのことです。お料理を取り分けてあげることを「サーブする」と言ったりしますよね。それとほぼ同じ単語です。
実際には、コンピューターの中にウェブサーバーの役割を担うアプリを入れて使います。
その「ウェブサーバーの役割を担うアプリ」は、いくつか存在します。もっとも古くから知られているのが Apache、比較的最近有名になってきたのが Nginx や LiteSpeed です。
Apache (アパッチ)
- 1990年代から今までもっとも多く使われていた、歴史あるウェブサーバー
- さまざまな状況に幅広く対応できるように開発されてきた
- フリーでオープンソース。歴史的に情報も多いので、自分でサーバーをインストールしてみたい人にはうってつけ
Nginx (エンジンエックス)
- 並行処理 (いくつかの動作を同時に行う)、メモリ消費を抑えやすいという特徴がある
- Apache と比べて「サーバーが落ちる」という状況を招きにくい、といわれている
- 静的コンテンツ(画像やテキスト)にはめっぽう強いが、PHPプログラムをたくさん動かすとか、動画コンテンツの配信はあまり得意ではない
LiteSpeed (ライトスピード)
- Nginx同様、並行処理、同時接続に強い
- Nginxより速いというテスト結果がある
- LiteSpeedサーバー専用のWordPress用プラグイン (LSCache) があり、強力なキャッシュ機能を利用できる
- 有料 (ただし、レンタルサーバーではサーバー会社がその料金を払っているので、利用者が気にするタイミングはほぼない)
- Windowsサーバーには非対応
ウェブサーバーの違い、なぜ気にする必要があるの?
ウェブサーバーは、ウェブサイトを表示させる基礎の技術です。ウェブサイトが速く、安定して表示されることは大切です。なぜなら、ユーザーが表示を待つ時間がなく、ストレスを感じないからです。
なおかつ、Google検索ボットも、ウェブサイトが表示されるまでの時間をチェックしています (ユーザーにストレスを与えないサイトをより評価している、と考えられます)。速く表示されるウェブサイトのほうが、検索結果で上位に表示されるチャンスがある、ようはSEO的にメリットがある、といわれています。
というわけで、基礎のソフトの違いでウェブサイトをより速く表示させることができるのなら、速いソフトに越したことはないよね、ということで、レンタルサーバー各社もApache以外のサーバーソフトを提供するようになってきたのです。
Apache (アパッチ) のレンタルサーバーはダメなのか?
今使っているレンタルサーバーがApacheだから、あるいは検討中のサーバープランがApacheだから、早く乗り換えなきゃ! とまで考える必要はありません。
歴史的にみると、元々はApacheやその他の古くからあるウェブサーバー技術があり、それらを使っていた技術者が「より高いパフォーマンスを目指そう」とNginxやLiteSpeedなど新しいウェブサーバーを開発し始めたという経緯があります。ですから、より新しいソフトのほうが速い、ということはいえるでしょう。
しかし、ウェブサイトの表示速度はサーバーソフトだけで決まるのではありません。サーバースペック、あるいは、ウェブサーバーに載せている中身のほうが、サーバー速度にはより大きな影響があります。
例えば、ウェブ初心者の方でこういう問題がよくあります。WordPressでウェブサイトを運営していて、某レイアウト制作プラグインに加えて思いつくままにいろんな機能のプラグインを好きなだけ(よくわからずに)追加しまくった結果、管理画面も表示も激重に……というケース。こういう場合、サーバーを変えても問題は何も解決しません。まずは中身をちゃんとしないと (知識が必要ってこと)。
もし、こうした問題は全くクリアできていて、さまざま対策をしてみたけれど、それでもアクセス数が多くてサーバーが不安定、という場合に、LiteSpeedなどのサーバーソフトが入ったレンタルサーバーを検討してみるのがよろしいかと存じます。