SNSを公式サイトがわりにしてはいけない理由: 事業をやるならSNSだけじゃなく、ウェブサイトが必要。お店も企業もクリエイターも

この記事は、お店の運営者の方、事業者の方に向けた情報です。InstagramやXのアカウントページを公式サイトがわりにしないでください。デメリットが多いからです。

SNSを事業の公式サイトにしない。ウェブサイトを持とう

実際、いま多くの一般の方から「インスタだけじゃなくて、ウェブサイトを備えておいてほしい」という声が広がっています。

SNS「だけ」ではなく、公式ウェブサイトを持ちましょう。それはなぜなのか、ウェブの専門家の立場から解説します。

なぜ、SNSを公式ウェブサイトの代わりにしてはならないのか?

SNSを公式ウェブサイトの代わりにしてはならないのは、これが理由です。

  1. そのSNSは全ての人が見られるわけではない
  2. そのSNSはいつ廃れるかわからない
  3. 検索して、SNSアカウントしか出てこないと怖い
  4. SNSは、情報を整理して載せるのが難しい
  5. DM問い合わせは、ユーザーにも事業者側にも面倒

以下、ひとつずつ説明しますね。

理由1: そのSNSは全ての人が見られるわけではない

Instagramに流している情報、ログインしていない人にはどう見えているかご存知ですか? ほとんどの情報が読めません (解説記事はこちら)。

国民全員がInstagramをやっていると思ったら大間違いです。事実、日本人のインスタの利用率はおよそ50〜60%です (※)。なんと、半数の人には届いていません。つまり、お客様をそれだけ取りこぼしています。

SNSの利用割合は、最も高いLINEでさえ90%くらい。利用率100%のSNSなどこの世に存在しません。でもウェブサイトは、スマホさえ持っていれば100%の人が見られます。だからSNSだけじゃなくウェブサイトを持っておくべきです。

理由2: そのSNSはいつ廃れるかわからない

SNSには常に流行り廃りの波があり、サービス内容が突然変わることもあります。mixi (ミクシィ) やGREE (グリー) をご存知の方もいらっしゃるでしょう。Xの騒動も記憶に新しいところです。

つまり、もし再来年あたり「インスタはオワコン」と若者から言われていたって、なんの不思議もありません。そのとき、そこにしか情報がないと、世間との接点を一気に失います。だからSNSだけじゃなく、流行に左右されないウェブサイトを持って育てておきましょう。

理由3: 検索して、SNSアカウントしか出てこないと怖い

ユーザーは店名や会社名を検索して、公式サイトを確認します。もし公式サイトがなければ「ここ本当に営業してるの?」「大丈夫なのか?」と思われてしまいます。

GoogleマップやSNSに載っている情報は「水もの」、古い情報が変に検索に出てきたりして信頼性が低いのです。ネットに慣れた人が増えている昨今、信頼性を示すために、SNSだけじゃなく「公式サイト」を持ちましょう。

理由4: SNSは、情報を整理して載せるのが難しい

SNSは時系列で流れていくうえ、プロフィール欄の内容も限られます。なので、メニューやサービス内容、料金表など、情報を整理して載せるのには向きません。「基本的なことを知りたいだけなのに、SNSのタイムラインを延々さかのぼらないといけないとは、なんて面倒くさいんだ」とお客様は思っています。そうして、来店や依頼の機会を逃します。

だから、整理されたページ構成ができるウェブサイトを活用するのが得です。

理由5: DM問い合わせは、ユーザーにも事業者側にも面倒

「SNSのDMでお問い合わせくださいね」。これ、じつはユーザーにはハードルが高いです。何を書くべきか自分でゼロから考えないといけないし、お店との距離感がわからなくて気を遣うからです。また事業者側からみても、DMは対応に手間がかかります。ユーザーの書いたメッセージには本名や予約時刻すら書かれていないことがザラにあるので、やり取りの数は増えがちです。

だから、問い合わせをネットで受けるならば、DMじゃなく、問い合わせフォームに書いてほしい項目を備えておきましょう。そうすれば必要な情報が一発で揃い、圧倒的に効率がいいです。そして問い合わせフォームを備えるにはウェブサイトが必要です。

ではどうしたらいいのか? => ウェブサイトを持ちましょう。公式サイトがメイン、SNSはサブ

だからこそ、ウェブサイトを作りましょう。Xやインスタの個人垢を公式代わりにするのではなく、会社・お店の「公式サイト」としてのウェブサイトを作りましょう。

  • メイン (公式) = ウェブサイト
  • サブ = 各種SNS

これが正しい使い方です。理由は、前に述べたとおり、SNSを情報拠点とするには信頼性が低いから、加えて、それぞれ得意分野が違うからです。

  • ウェブサイト … 整理された情報掲載、問い合わせ/予約フォーム
  • 各種SNS … ユーザーとのコール&レスポンス

このように、ウェブサイトを「公式」として持ち、SNSも並行して活用するのが正しいやり方です。

SNSもウェブサイトも両方やるのは大変では?

「インスタもウェブサイトもどっちも更新しなきゃいけないの?」

たしかに、手間はかかります。
でも本気で集客したいお店や企業は、当たり前に両方やっていますよ。

他の企業やお店は、人手が足りないならウェブサイト制作を外注したり、SNSの代行サービスを頼んだりしてますよ? 勝ちたければ、やるしかない。厳しいですが、それが現実です。

とはいえ、そんなに難しく考える必要はない

自分で書いた発信である以上、べつにSNSとウェブサイトで同じものを載せても問題ないわけです。

たとえば、SNSの投稿を週に一度くらいのダイジェストにして、ウェブサイトのブログコーナーに載せるとか。
そんなかんたんな更新であっても、やらないよりは一万倍マシです。

「お金がない」「集客に困っている」…そんなお店・企業にかぎってやってない

「集客できなくて、困っている」という店主さん・社長さんの話を聞いてみると、じつは公式サイトを持っていない、ってケースが多いです。

「広告を出そうにもお金が足りない」と嘆く前に、まずウェブサイトをちゃんと作りましょう。外部の人から見て、何を提供できるお店・企業なのか、知らない人が見てもわかるようにしておきましょう。

ウェブサイトは、個人でも払える程度の費用と、パワポで資料をまとめるくらいの労力があれば作れます。お金がないならまず自分の手を動かして、やれることをやって、それから悩みましょう。

ちなみに、お店なら、Googleマップ、Appleマップもちゃんと登録してくださいね。本気で集客するつもりのところは、できることを一つでも実行していますよ。

よくある疑問 Q&A

Q. インスタを更新するほうが反応がある

そもそもインスタしかやっていないなら、そこでの反応しか見えないのは当然です。ウェブサイトにはLikeボタンはついていないので、反応がないように感じます。しかし、地図アプリや検索から流入するユーザーは、ウェブサイトで確実に欲しい情報を得られます。Likeを寄越さない客はおろそかにしていいんでしょうか

Q. SNSのほうが若い人たちが見ているので…

A. 若い世代をターゲットにするなら、なおさらウェブサイトが必要です。なぜなら、SNSが各種あふれかえる現状、その取捨選択に敏感なのはむしろ若者だから。利用SNSは分散しつつあり、「インスタだけで大丈夫」な時代はそのうち終わります。だからこそ、今後どんなSNSが現れようが誰でも共通して見られる情報拠点として、ウェブサイトが必要です。

Q. ウェブサイトなんか難しくて作れないのでは?

A. 誰でも作れます。SNSを更新する・メールの文章を書いて送れる・エクセルやパワポ使ったことがある、程度のリテラシーさえあれば。ウェブサイト制作ツール (ジンドゥーやWixなどのサービス) の多くは、技術力が全くない人が使えるように設計されています。

Q. ウェブサイトを作るのにお金がかかるのでは?

A. 多少のお金はかかります。ただ、それでもウェブサイトを持つメリットの方が上回ります。広告宣伝費としてはかなり安い金額です。

Q. できるだけ安く済ませる方法は?

A. 制作会社に依頼すると高額ですが、自分で作れば最小限で済みます。ウェブサイト制作ツールを契約すれば、技術力が全くなくても作れます。

Q. お問い合わせフォームや予約フォームはどうするの? 技術力がないのに

A. ウェブサイト制作ツールの多くには、お問い合わせフォームや予約フォームの機能が組み込まれています。また、お問い合わせフォームだけ作れる外部サービスもあります。これらを使えば技術力がなくても自分で設置できます。

まとめ: 事業者は、SNSだけじゃなく、ウェブサイトを持とう

お店・企業・クリエイターなど、事業をする人は、SNSを運用するだけじゃなく、ウェブサイトを作るべきです。なぜなのか、というお話をさせていただきました。

この記事でお伝えしたかったことのポイントは次のとおりです。

  • SNSは誰もが見られるわけではないので、客を取りこぼす
  • 公式サイトがないと、信頼性を損なう
  • 整理された情報や問い合わせフォームはウェブサイトでしか実現できない
  • どのSNSを使う人も共通して見られるウェブサイトを中心に据えるべき
  • ウェブサイトを作るのは思うほど難しくない。少額・少労力でも始められる

ぜひ、インスタやXだけじゃなく、ウェブサイトを作るようにしてください。

ウェブサイト制作ツールのおすすめが知りたい」「そもそもウェブサイト制作ツールってなに?」という方は、他の記事もあわせて読んでみてください。