トピッククラスターとは、ウェブメディアやブログサイトにおいて、話題 (トピック) ごとに記事のまとまり (クラスター) を作ることをいいます。
これからのSEOに重要な考え方ということで注目されています。元はアメリカのマーケティングIT会社HubSpotが提唱した概念です。
この記事は「トピッククラスターってなに?」という方に向けて、かんたんにさわりを説明するものです。
トピッククラスターの作り方
- 話題ごとにまとまりを作る
- 柱 (ピラーページ) を作る
- クラスターページを作る
- クラスターページから柱へリンクする
- あるいはこのまとまりをブログ内に複数作る
1記事1記事でキーワードを考えるというより、何かの話題についてピラミッド状のキーワードのまとまりを考え、それに沿った形で記事を増やしていく、というイメージです。
トピッククラスター以前の問題
いままで
「検索上位を取るためには、大きなキーワードでは強い競合に勝てないので、2〜3語でニッチなキーワードで書くようにしましょう」
と言われてきました。
たしかにこれは有効で、個々のページがそれなりに検索上位に来ることができます。
ただ、記事を増やすうちにサイト内で話題がかぶってしまい、検索的にみると競合する (食い合う) ことがありました。
一方、トピッククラスターモデルは、記事同士が助け合って「団体戦」でうまくいくことを目指しています。
トピッククラスターモデルが登場した背景
なぜ最近になって「トピッククラスター」がいわれるようになったのか? その背景にはウェブ検索という行為じたいの変化があります。
今、パソコンのブラウザにキーボードでキーワードを入れるだけが検索ではなくなりました。
例えば、音声検索をする機会が増えました。
音声検索では、あいまいな言い回しや長ったらしい言い回しがよく登場します。
「オッケーグーグル、こっから家に帰るまでの間にパン屋さんない?」といった具合に。
当然これに合わせて、検索エンジンも進化しています。あいまいな言葉の意味を解釈し、微妙な言い回しからユーザーの検索意図を汲み取ることができるようになりました。
このような状況では、一語一句のキーワードだけを考えるより、話題や文脈というまとまりによるアプローチが有効になってきた、ということ。
– この記事とこの記事はだいたい同じようなことを主張しているな
とか
– このブログは全体として、こういうテーマを話したいんだな
ということもAIは理解するので、ページそれぞれの「個人戦」よりも話題ごとのまとまりによる「団体戦」のほうがどうやら有効そうだ、というのがトピッククラスターという概念が生まれた背景です。
これからのSEOには、トピッククラスターが必須なのか?
必ずしもそうとはいえないと思います。
トピッククラスターモデルは「最近はどうやらこうするとうまくいきやすいみたいですよ」という話にすぎません。トピッククラスター構造を導入しないサイトはGoogleから無視されるとか、別にそういうことではないので安心してください。
従来のように「ニッチなキーワードで書く」を繰り返すのがダメというわけではないし、多くの場合はそれで充分なはずです。
ただ、それによる問題点も判明しているわけですから、これから新しくブログサイト・メディアサイトを作っていく際にトピッククラスターを意識して作っていくのがおすすめではあります。
一方、すでにある程度構築されたブログサイト・メディアサイトをトピッククラスターに直す、というのはなかなか難しいです。慎重に、計画的にやったほうがいいでしょう。
無理に飛びつくより、まともな記事・良質な記事を
「トピッククラスター」のような新しいキーワードが出てくるとすぐそれに飛びつく人が多いけど、それよりもまずは、記事の質を高めることを考えたほうがいいです。
現代のSEOは「ユーザーの役に立つ記事しか勝たん」が基本中の基本です。
そしてトピッククラスターモデルは、それぞれの記事が「まともな記事」「ユーザーの役に立つ記事」「良質な記事」であることを大前提としています。
「まともな記事」同士を結びつけることで初めてクラスターが力をつけるのであって、中身の薄いつまらない記事ばかりを「トピック」化しても、たいした効果はないと思われます。